甦る古代金堂 慧日寺金堂の復元【第18回】 竣工
印刷用ページを表示する 掲載日:2015年11月3日更新
平成17年12月から2年4ヶ月にわたり取り組んできた金堂復元工事も、3月末をもって無事竣工を迎えました。
4月24日(木曜日)に落成式が行われ、翌25日(金曜日)からいよいよ一般公開が始まります。
竣工した金堂の外観
堂内壁の漆喰仕上げ
須弥壇の設置と気温の上昇を待って、3月中旬から堂内の壁の漆喰仕上げが行われました。漆喰は防火性が高く、調湿機能を有した仕上げ材です。消石灰を原料とし、フノリなどの膠着材(こうちゃくざい)、ひび割れ防止の繊維を水で練りこんで作ります。
中塗り後の内壁 厚さ3ミリの漆喰が一気に 塗り上げられていきます
漆喰壁は遮音・遮光性も高く、カビも付きにくい
須弥壇の塗り仕上げ
部材ごとに塗りが行われていた須弥壇は、2月末に金堂内に搬入されて組み立てられ、最終仕上げが行われました。前号でもお伝えしましたが、漆塗りには気温と湿度が大きく影響するため、須弥壇全体をシートで囲い、ファンヒーターで温度を管理しながら作業が続けられました。
赤い柱と白漆喰に彩られた来迎壁を背にして、会津塗りの職人さんによる伝統技法で仕上げられた漆黒の輝きは、堂内に幽玄さを醸し出し、見る者をいにしえの空間へと誘います。
生漆と砥粉を混ぜて磨き上げます 研磨にはアブラギリの炭を用います
仕上げ塗りには会津産の漆を用いました