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第13回でもご紹介しましたが、現地ではとち葺きが精力的に進められています。6人の職人さんが総がかりで屋根葺きにあたっていますが、完成後の屋根板の収縮状況を考慮しながら、一枚一枚を竹釘で打ち留めていく大変根気のいる作業のため、およそ3万枚近い屋根板が葺き上がるには、12月中旬頃までかかる見込みです。
なお、みなさんに記銘していただいた屋根板は、最終的に約1,500枚にも上りましたが、これらは日当たりの良い南面の上方に葺かれる予定です。
直接風雨にさらされる屋根の場合、錆びやすい鉄釘は不向きでした。したがって、とち葺きに限らず、古来屋根葺きには竹釘が用いられてきました。何より材料の調達や製作工程を考慮した場合、圧倒的に竹釘の方が身近で簡単だったようです。
一般的に、竹釘は下記のような手順で作られます。
釘の成形としては以上のような工程ですが、強度を持たせるためには、再度天日干しを行った後に大釜を用いて乾炒りします。そうすることによって、竹に含まれる竹瀝と呼ばれる油脂や、酢酸、メタノールなどが溶け出し、光沢のある飴色に仕上がって、耐水性・弾力性に富む釘になるのだそうです。