甦る古代金堂 慧日寺金堂の復元【第2回】 原寸図の検討
印刷用ページを表示する 掲載日:2015年11月19日更新
寺社建築では、材木の加工に入る前に建物全体のバランスを確認・調整するため、まず設計図を基にして原寸大の図面が引かれます。この原寸図と設計図を照らし合わせながら、ひとつひとつの部材の形や大きさ、さらには反りや厚さなどを細かく調整していきます。
調整後の原寸図をもとに各部材の切り出し・加工が行われるため、建築に先立って行われる重要な工程のひとつです。
- 工場には加工作業場のほかに原寸場と呼ばれる広大な一室が併設されます。そこでは、施主・設計・施工が一同に会し、原寸図をもとに細部の検討を行います。
原寸図と設計図を照合します
原寸図を引くには、体育館のような広い場所が必要 調整を重ねて原寸図を修正していきます
- 原寸図の修正が終わると、それに沿って型板が切り取られ、部材型取りの原版ができあがります。
型板は同じ部材をいくつも切り出すために必要 組物の型板
材木に型板をあてて型取りを行う
型取りされた材木を刻む
- 型板をもとに切り出された部材は、その後人手によって丁寧に仕上げられていきます。
切り出された虹梁(こうりょう)(1次加工) 槍鉋(やりがんな)仕上げ