甦る古代金堂 慧日寺金堂の復元【第17回】 現地組み立て その10
印刷用ページを表示する 掲載日:2015年11月4日更新
平成17年12月から2年4ヶ月にわたり取り組んできた金堂復元工事も、今月末をもっていよいよ竣工を迎えます。
現地では冬期の養生期間を経て、2月下旬からは須弥壇の設置・塗り仕上げ、堂内の壁の漆喰仕上げ、扉金具類の取り付け、管理用設備の設置など内部の仕上げ工程に取り組んでいます。
扉金具の設置
金堂の扉は側面・背面も含めると8箇所16枚にもおよびます。そのすべてにさまざまな形状・役割の扉金具が取り付けられますが、その一例を正面扉の設置で紹介しましょう。
上下の長押に、扉の軸を受ける6cm程の 扉の上下端には軸穴に差し込む
軸穴を開け軸受け金物を設置します 杓子状の金物を取り付けます
扉の軸を、上・下の順に軸穴に落とし込んで扉を設置します
![]() 軸元を補強する八双金具を鋲で留めます |
![]() 八双金具は扉の上下に取り付けます |
![]() 扉内側から見た八双金具と戸締り金物(中央) |
須弥壇の据付け
別工房で漆塗り作業が進められた須弥壇が2月末に金堂内に運び込まれ、据付け工事が始まりました。幅7.5mにも及ぶ大型の須弥壇のため、天板は6枚に分けて塗り作業を行いました。したがって、現地での据付け後、継ぎ目は再度布着せからの工程が必要となります。
鏡面のような輝き 框部分の設置
来迎壁前に設置された須弥壇
継ぎ目の布着せ作業