甦る古代金堂 慧日寺金堂の復元【第3回】 屋根材の加工
印刷用ページを表示する 掲載日:2015年11月18日更新
年代、気候風土、立地条件などを含めて検討を重ねた結果、復元に際しては積雪山間部の地方寺院という条件から、「とち葺き」という手法を採用することにしました。
「とち葺き」とは板葺きの一種で、杉または椹(さわら)の割り板を使用し、板厚が0.9cm以上、葺き足9cm前後のものを指します。
- 面取りした杉の丸太を、仕上がりの縦方向の長さ(約40cm)に揃えて切っていきます。すると、下の写真(1)に見るように長さの一定な「バウムクーヘン」がいくつも出来上がります。
写真(1) - 写真(2)~(5)のように何段階にも分けて裁断していき、最終的に厚さが1月5日cmほどの手割り板に仕上げます。
写真(2) 写真(3)
写真(5) 写真(4)
写真(6) [完成後の屋根板] 金堂には2万枚以上の屋根板が準備されます - 加工した屋根材は加圧注入の釜にいれて防腐処理を行います。その後は現地に運ばれ、一枚一枚丁寧に葺き上げられていきます(写真7、8)。
写真(7) 写真(8)
《現地情報》 素屋根が完成しました!
第1回で紹介しました建設用の足場(素屋根)が、12月初旬に組み上がりました。間もなく現地での組み立てが始まります。