甦る古代の伽藍 慧日寺中門の復元【第7回】 屋根葺き工事
印刷用ページを表示する 掲載日:2015年11月2日更新
屋根葺き工事
2ヵ年にわたって行われてきた中門復元工事もいよいよ最終段階を迎えました。今月に入り屋根のとち葺き作業も急ピッチで進められており、今月中頃までにはすべての工程が完了して、完成を迎える予定です。

屋根葺きは軒づけ部から始めます


屋根の端部は雨仕舞いに十分耐えられるように幾重にも軒板を重ねます


葺き上げの進む屋根 竹釘での打ち留め

とち葺きの見事な仕上がり
先月号でもお伝えしましたが、切妻屋根では妻側の軒の納め方が 難しく、箕甲と呼ばれる端部の曲線は職人さんの腕の見せ所ともい われます。曲げの利かないとち板で葺き上げるため、一枚一枚の形 や打ち留めの角度などを吟味しながら、しなやかに仕上げていきます。


緩やかな曲線を見せる箕甲部 屋根全体の意匠を決める重要な工程の一つです
懸魚(げぎょ)

破風板の下側に取り付く妻飾りの一種。棟木や母屋桁の木口を隠すために取り付けられる板状の装飾材を指します。取り付けられる位置によって呼び名が異なり、時代によって形も変わっていきます。
甦る古代の伽藍 慧日寺中門の復元シリーズ
- 第1回 基礎工事
- 第2回 復元中門の仕様・立柱・壁工事
- 第3回 木工事 その1
- 第4回 木工事 その2
- 第5回 木工事 その3 壁工事-中塗り
- 第6回 壁工事-漆喰仕上げ、屋根葺き工事
- 第7回 屋根葺き工事
- 第8回 中門復元工事竣工