甦る古代の伽藍 慧日寺中門の復元【第3回】 木工事 その1
印刷用ページを表示する 掲載日:2015年11月6日更新

現地組立てに先立って、京都で行われた木工事の状況を紹介します。
原寸図の検討
工場での木工事に先立って、まず行われるのが原寸図の検討です。各部材の形や取合いなど、細部を決める重要な工程で、左の写真に見るように、屋内の広い場所に原寸大の図面を引いて、設計・施工立会いの下図面の確認・調整を行います。この原寸図に基づいて各部材の型板が作られます。

京都の工場で行われた、原寸図検討の様子
部材の加工
柱に用いるヒノキは、背割れを入れてしばらく乾燥させた後に丸柱へと加工しました。金堂と同様に、柱の最終仕上げにはヤリガンナを用い、その後に塗装を行いました。


中門に用いるヒノキの原木 加工中の12本の柱


表面はヤリガンナで仕上げます ベンガラ塗装を施します
同じ形の部材をいくつも必要とする組物や虹梁などの部材は、原寸図をもとに型板が切られ、それを木材に写し取って切り出し加工が行われます。


組物-斗の加工 組物-肘木の仕上げ

虹梁の加工
加工された各部材は、組み合わせる他の部材に実際にあてがって、ぴたりと組み合わさるまで調整加工を繰り返します。


柱のひかりつけ 柱・地覆と礎石の調整

蟇股と虹梁の取り付き具合の調整
甦る古代の伽藍 慧日寺中門の復元シリーズ
- 第1回 基礎工事
- 第2回 復元中門の仕様・立柱・壁工事
- 第3回 木工事 その1
- 第4回 木工事 その2
- 第5回 木工事 その3 壁工事-中塗り
- 第6回 壁工事-漆喰仕上げ、屋根葺き工事
- 第7回 屋根葺き工事
- 第8回 中門復元工事竣工