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中塗り工程からおよそ2ヶ月の乾燥・養生期間を経て、今月初旬に壁工事の仕上げとなる漆喰塗りが行われました。
壁塗りの仕上げと併行して、屋根上でもいよいよ最終工程であるとち葺き作業が始まりました。金堂と同様に、スギ材を使用した手割りの屋根板が作られました。金堂がおよそ3万枚のとち板を費やしたのに対し、中門ではおよそ1万枚弱の屋根板が用いられます。
切妻屋根では、妻側の軒の納め方が難しく、隅の部分の回し葺きや、箕甲と呼ばれる端部の曲線は屋根葺き職人の腕の見せ所ともいわれます。曲げのきかないとち板で、いかに美しく古代風に納めるか。事前に京都の工場で原寸大の屋根の模型を作り、検討が行われました。

切妻や入母屋屋根で、破風ぎわの端部を少し丸めるようにする納めを、箕の甲に似た形であるところから箕甲と呼んでいます。屋根全体の意匠の決め手にもなり、仕上げには熟練の技術を要します。
一般に、箕甲の落ちが大きいほど柔らかい印象となります。