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楽しい食生活を送るために [2]

印刷用ページを表示する 掲載日:2015年10月2日更新

歯の痛みはこの世で一番辛い痛みであるともいわれています。今回はその虫歯(う蝕)についてお話いたします。

虫歯とは、口の中にいる細菌(ミュータンス菌など)が食べ物に含まれる糖から酸を作り出して歯を溶かす病気のことです。

歯の表面に付着した白いのりのようなものが歯垢で、細菌のかたまりです。耳かき一杯の歯垢の中に約一千万個存在します。細菌は糖分を分解して酸と粘着性の不溶性グルカンをつくり歯に粘着します。

歯の成分であるカルシウムなどを溶かし出す過程(脱灰)と再石灰化が、食事のたびに繰り返されます。

再石灰化とは、唾液が酸の作用を緩和して唾液に含まれるカルシウムが歯の表面に再結合することによって元の状態に戻ることです。この脱灰と再石灰化のバランスが保たれていれば虫歯にはなりません。

ところが歯に穴があくという現象は、このバランスが崩れて脱灰が優勢になった状態です。初期の虫歯には痛みはありませんが病巣が深くなると痛みを感じるようになります。

虫歯を予防するには毎日の歯磨きが重要です。食後は必ず歯を磨き、間食を控えることも大切です。こうすることによって歯が再石灰化に十分な時間を費やすことができます。特に子どもの歯は虫歯になりやすいので、おやつは時間と回数をきめて与えるようにしましょう。歯磨き剤はフッ素入りのものを使用するとよいと思います。フッ素イオンが歯の表面をフルオロアパタイトという耐酸性の物質に変化させて虫歯になりにくくします。

食後の適切な歯磨き(前号を参考になさってください)を習慣づけて、快適な食生活をお送りください。

次回は「歯周病(歯槽膿漏)について」詳しく説明いたします。

 

奥羽大学歯学部附属病院 山崎 隆史

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