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度胸ばなし/磐梯町の伝説と昔話

印刷用ページを表示する 掲載日:2015年11月1日更新
磐梯町の伝説と昔話

 

度 胸 ば な し

あったどよ。

ある山奥にナ、一つの村があったど。

その村にはナ、毎晩、毎晩、真っ黒な頭に真っ黒な顔で、目も鼻も無ぇノッペラボウの化け物が出てでナ、村の人達が困っていただど。

そんな村の人達はナ、皆まだ明りうぢに、まんま喰って、
晩方になっとそこらの中の戸たてで家の中で一固まりになって、ブルブル震えていただど。

そんじぇ、夜中の一時、二時頃になっと、化け物がまた一軒、一軒ナ、

「あぶねぞ、あぶねぞ。」 ってゆってナ、
鉄の棒、ガチャガチャ鳴らし鳴らす廻ってくんだど。

いやぁ、その声おっかねぇごど、おかねぇごど、
その音の気味悪いごどナ、毎晩、毎晩だから、村の者は生きたそらがねがっただど。

さて、そごで、村の人達は
「何か、いい方法がねぇもんだべがな。」 と、相談したげんじょも、だっちぇも音出す者がいねがっただど。

そうしたらな、一人の度胸のいい男が居でな、
「よし、俺が化け物の正体、掴んでくれっから。」 つって、暗くなんの待ってただど。

その内に夜中になって、辺りが真っ暗になってシーンとして、
物音一つしねぐなった時、その化け物が出てきただど。

「あぶねぞ、あぶねぞ。」 って、
鉄の音をガチャガチャ鳴らして行ぐ化け物の後を男がソーッと追っ掛けで行っただど。

その化け物の速ぇごど、速ぇごど、
ずんずん、ずんずん、山の方さ行ぐだど。

その内に谷さ掛がった1本の橋渡って、
どこまでも、どこまでも追っかけて見たっけが、
やがて今にも崩れそうな崖っ淵のどごで、化け物がスーッと消えっちまっただど。

「こりゃ、きてぇだな。」 と思ってその辺りんどこよーく見たっけが、
何だか眩しく光るものがあっただど。

「ハーテ、何だべな。」 と思って見たっけが、
ピカピカ光る金の山があっただど。

金神様が、それを教えだぐって、教えたぐって、
毎晩、村の人達さ声掛けていたわげだげんじょ、だっちぇも分かんねで、
度胸の良い男はお蔭で一散に大金持ちになっちまっただど。 金の山

あったど昔、さげぇました。

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