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PM2.5について<2013年4月>

印刷用ページを表示する 掲載日:2015年11月1日更新

春の暖かい日差しにほっとする今日この頃ですが、皆さんいかがお過ごしでしょうか。私にとっては花粉に悩む季節なので、マスクや抗アレルギー薬の内服や外用が欠かせませんが、花粉症を悪化させる可能性があるものでPM2.5というものがあります。

PM2.5

最近大気汚染に関係してPM2.5ということばをよく耳にしますが、粒子径が概ね2.5マイクロメートル以下の大気中を浮遊する微小粒子状物質のことです。髪の毛の太さの1/30程度しかなく、吸い込むと細い気管支の奥まで到達し、肺がん、喘息などの呼吸系への影響に加え、循環器系への影響が懸念されています。物の燃焼により排出されたり、大気中の化学反応によって生成され、従来の日本の都市の大気に検出されていたもので、工場や自動車排出ガス規制などの効果で年々減少傾向がみられていました。今年1月に西日本の広域で一時環境基準を超えるPM2.5が検出され、従来都市汚染の少ない地域にも見られたこと等から大陸からの越境大気汚染の影響があったものと考えられています。

指針

法律では健康の適切な保護を図るために維持されることが望ましい水準として1年平均値15マイクログラム/m3以下かつ1日平均値35マイクログラム/m3以下が環境基準として定められています。注意喚起のための暫定的な指針として1日平均値70マイクログラム/m3に対応する1時間平均値85マイクログラム/m3を1日のうち早めの時間帯で超えた場合は、都道府県等が注意喚起を行うことを推奨されました。

最近の様子

3月中の会津若松局で環境基準の一日平均35を上回ったのは3月7・8日の2日間ですが暫定基準を超えるものではありませんでした(平成25年3月28日時点)。現状では健康に影響する可能性は低いものと思われます。

個人の対策

万が一注意喚起があった場合、不必要な外出や屋外での運動をできるだけ減らすことが大事です。屋内においても換気や窓の開閉を必要最小限にするなどにより、外気の屋内への侵入をできるだけ少なくし、PM2.5の吸入を減らすことができます。喘息をはじめとした呼吸器系や循環器系の疾患を持っている方、お子さんやお年寄りは、影響を受けやすい可能性があるので、体調の変化に注意してください。また、大気汚染がない状態でも、喫煙によりPM2.5濃度が暫定基準を大きく上回って上昇することが知られていますので、喫煙や受動喫煙による被害を減らす対策も大切なことです。

マスクの有用性

新型インフルエンザのときに使用されたN95マスクや同等以上の規格の医療用や産業用の高性能な防じんマスクはPM2.5の吸入を減らす効果が高く、顔に隙間なく密着させて使用すると効果的ですが、呼吸抵抗が若干あります。

情報収集

国や自治体で全国560か所でPM2.5を常時監視しています。PM2.5を含む大気汚染に関する情報は環境省ホームページで確認することができます。

参考URL
環境省_微小粒子状物質(PM2.5)に関する情報(外部リンク)<外部リンク>
大気汚染物質広域監視システム(そらまめ君)ホームページ(外部リンク)<外部リンク>
男性がマスクをしているイラスト


磐梯町医療センター 医師 屋島 治光

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