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一年を振り返って<2012年8月>

印刷用ページを表示する 掲載日:2015年11月1日更新

盛夏の候、いかがお過ごしでしょうか。昨年の4月に磐梯町保健医療福祉センターの歯科に赴任し、早や一年半が経とうとしています。患者さんやスタッフの皆様に支えられ、ここまで順調に診療の日々を送ることができました。この場をお借りして御礼を申し上げたいと思います。

赴任してきて早々は東日本大震災から一か月も経たない慌ただしい日々でした。通常の診察に加え被災された避難者の方の歯科治療を行う場面もあり、患者さんの皆様と震災による影響や余震の不安、今後についてなど多くのことをお話したことが思い出されます。避難されている間に口腔内環境が悪化し来院される方のお話を通して、有事の場面で歯科医師として自分は何ができるか、ということを深く考えさせられました。

秋には介護予防事業として、しゃんしゃんいきいき倶楽部を通じ、事前に口腔内に問題を抱える方に参加を募り、栄養士さんと共に全4回のセミナーを実施しました。歯周病や入れ歯について皆さんに少しでも理解を深めてもらい、また嚥下(飲み込み)や唾液(つば)の大切さをお伝えすることで、口の中に少しでも興味を持っていただくことができました。本年度も事業は継続して行う予定です。一人でも多くの方に参加していただけたらと願っています。

一年を通して、来院される方の中で一番多かった要望は入れ歯が合わない、作り直したい、うまく食べることができないといった内容でした。次いで、歯周病や虫歯に関連する痛み、親知らずが痛い、といった内容も多かったです。他には、お子さんの虫歯や歯並び、口内炎、インプラント(人工歯根)についての相談などもありました。今後も皆様の様々なお悩みを解決できるように、またなるべくセンターの歯科で治療を行えるよう努力していきたいと考えています。

4月からは老人保健施設「りんどう」において入所者の方への回診も行っています。将来的には訪問診療や学校検診なども行っていくことが目標です。今後ともよろしくお願いします。

喉に食べ物が詰まっているイラスト

ところで、皆さんは食べたり飲んだりするときに、うまく飲み込むことができていますか?頻繁にむせる、咳が出るということはないですか?嚥下機能(飲み込み)に問題がある場合、むせや咳が頻繁に現れます。こういった症状が原因で肺炎(誤嚥性肺炎)を引き起こすことがあります。肺炎は死亡原因の第4位であり、その90%以上は65歳以上の高齢者です。高齢者の肺炎の増悪因子は基礎疾患(糖尿病、心不全など)と誤嚥です。誤嚥とは気管に食べ物や飲み物などが入ることで、嚥下障がいがあると誤嚥性肺炎や窒息の原因となってしまいます。

嚥下障がいはさまざまな疾患に伴って生じる症候群で、脳血管障がいやパーキンソン病などの原因、医療行為にともなう医原性の原因、痴呆やうつ病などの心理的原因などが挙げられます。現在、歯科では嚥下障がいの予防、もしくは障がいの改善を目指して嚥下機能強化体操を行っています。

最近、飲み込みがうまくできなくなってきた方や介護をしている方で興味のある方は、是非歯科へお立ち寄りください。嚥下機能を強化して誤嚥性肺炎を予防していきましょう。


磐梯町医療センター 歯科医師 田辺 理彦