磐梯町地域包括支援センターだより(No.51):『成年後見制度』について、聞いたことがありますか?
心配事(1)
最近脳梗塞で倒れ入院しました。が、軽く済んで退院できました。高齢でもあるのでまた病気で倒れ、自分で判断する力がなくなったらどうしようと、将来のことが心配です。そんな時のために備えて、「自分はこう暮らしたい、こうしてほしい」ということを今から準備しておく方法はありますか?
『任意後見制度』があります!
任意後見制度は、本人が十分な判断能力があるうちに、将来、判断能力が不十分な状態になった場合に備えて、あらかじめ自らが選んだ代理人(任意後見人) に、自分の生活、療養看護や財産管理に関する事務について代理権を与える契約(任意後見契約)を公証人の作成する公正証書で結んでおくというものです。そうすることで、本人の判断能力が低下した後に、任意後見人が、任意後見契約で決めた事務について、家庭裁判所が選任する「任意後見監督人」の監督のもと本人を代理して契約などをすることによって、本人の意思にしたがった適切な保護・支援をすることが可能になります。
心配事(2)
母は、ひとり暮らしをしています。こどもたちは遠方に住み、それぞれに生活をしています。最近物忘れがあるのでは?と心配です。久しぶりに帰省してみると、高価な羽根布団が5組届いていました。「月賦で安く買った」と母は言いますが、いつ買ったのか、支払いはどうしたのか母の話からはよくわかりませんでした。認知症になっても、母が住みなれた家で暮らせるような方法はありますか?
『法定後見制度』があります!
法定後見制度は、「後見」「保佐」「補助」の3つに分かれており、判断能力の程度など本人の事情に応じた制度を利用できるようになっています。
法定後見制度においては、家庭裁判所によって選ばれた成年後見人等が、本人の利益を考えながら、本人を代理して契約などの法律行為をしたり、本人が自分で 法律行為をするときに同意を与えたり、本人が同意を得ないでした不利益な法律行為を後から取り消したりすることによって、本人を保護・支援します。
成年後見制度とは…
大きく分けると、任意後見制度と法定後見制度の2つがあります。
認知症、知的障がい、精神障がいなどの理由で判断能力の不十分な方々は、不動産や預貯金などの財産を管理したり、身のまわりの世話のために介護などのサービスや施設への入所に関する契約を結んだり、遺産分割の協議をしたりする必要があっても、自分でこれらのことをするのが難しい場合があります。また、自分に不利益な契約であってもよく判断ができずに契約を結んでしまい、悪徳商法の被害にあうおそれもあります。このような判断能力の不十分な方々を保護し、支援する制度です。
※ 参考:法務省民事局「成年後見制度 成年後見登記」パンフレットより