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麻酔について<2009年8月>

印刷用ページを表示する 掲載日:2015年11月1日更新
手術をする医師のイラスト

梅雨は明けないものの、暑さは本格化してきています。体調はいかがでしょうか。今回は麻酔についてのお話です。

麻酔と一言でいうと、どんなイメージをお持ちでしょうか。

「はい、チクッとしますよー」と言われ、注射器に入った痛み止めを打たれる。または、胃カメラなどの検査の前に、看護師さんに、「はい麻酔をかけますよー」と言われ、のどに霧になった薬をつけてもらう。

これもある意味麻酔で、間違いではありません。ただ、局所麻酔というごく一部の麻酔にあたります。

では、麻酔の仕事の大半を占める全身麻酔とはどんなものでしょうか。

手術が、例えば長時間に及ぶ場合や、※侵襲が大きな場合、また時間が短くても、局部麻酔が効きにくい場所(首から上の部分や、体の奥深くの部分など)、安静が保てないなど局部麻酔だけでは手術が不可能な方(小児や、多少の認知症がある方など)が適応になります。

全身麻酔の基本に、痛みをとること、意識をなくすこと(眠らせること)、動かなくさせることという三つが挙げられますが、ごく一部を除いて、眠ったあとに呼吸する管を入れ、人工呼吸になります。

また、持病がある方ですとそれだけ難しくなり、やることも増えます。

よく麻酔にたとえられているものに飛行機での移動があります。

麻酔のかけ始めは、薬が体に入ったばかりでもあり、血圧が上下したり、呼吸状態が悪化したりと割とやや不安定な状態です。これは離陸にたとえられ、手術が始まり、落ち着いてきた時が定空飛行にあたります。たまに乱気流に巻き込まれたりすることもあり、注意が必要です。手術も終盤になり着陸に入りますが、終了後は意識もだいぶ戻り、自力での呼吸も大分しっかりして人工呼吸は終了となります。

今や殆どの方が一生に一度は全身麻酔の手術を受けられると思います。手術室のパイロットである麻酔医の存在もぜひ覚えておきたいものですね。

※侵襲・・・手術、けが、病気、検査などに伴う痛み、出血など肉体の通常の状態を乱す外部からの刺激のこと。

磐梯町医療センター  田部  宗玄