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痛みの治療について<2009年3月>

印刷用ページを表示する 掲載日:2015年11月1日更新

今年は雪が少なく割合過ごしやすかったと思いますが、まだまだ寒い日が続きます。

今回はペインクリニックについてお話します。ペインとは痛みのことで、それを取り除く治療のことをまとめて言われることが多いです。痛みの原因はさまざまなものが考えられますが、

  1. 外傷、圧迫など神経損傷によるもの
  2. 帯状疱疹によるもの
  3. 血行障がいによるもの
  4. 腫瘍(癌、良性腫瘍)によるもの
  5. 炎症がひどくなってきたとき 等々あります。

原因が如何であっても、痛みの刺激が続くことによりその刺激が脊髄を経由して脳などの中枢神経に伝わりますが、それと同時に脊髄付近の交感神経や、運動神経などを通し、興奮状態を引き起こします。これによって痛みのある部位およびその周囲の血管が収縮したり筋肉の痙攣がおきたりします。続いて血流の低下や酸素が欠乏することにより、異常代謝が進行し局所には発痛物質の生成、遊離が促され、侵害を受けた部位の感受性が高まります。この一連の反応が痛みの悪循環と言われるものです。

さて、具体的な痛みの場所と病名を挙げてみますと

痛みに苦しむ人のイラスト
  • 頭痛:片頭痛、群発頭痛、筋緊張型頭痛、三叉神経痛、後頭神経痛
  • 肩痛:五十肩、滑液胞炎、腱板断裂、変形性関節症
  • 腰下肢痛:急性腰痛症、椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症
  • 腹痛:慢性膵炎、胆石症、胃炎、潰瘍、胃腸炎

これは代表的なもので、もちろん頭痛で脳出血をきたしていたり、痛みの場所によっては悪性の病気の場合もあり注意が必要です。

医療センターにもさまざまな患者さんが来院されていますが、これから帯状疱疹と癌性疼痛についてお話ししてみたいと思います。

帯状疱疹
「つづらご」とも呼ばれており、水痘・帯状疱疹ウイルスにより生じます。多くの方は小児期に感染し水痘を発症し、知覚神経に潜伏感染します。その後、疲労、睡眠不足、加齢などにより免疫力が低下すると帯状疱疹を発症します。多くの方では、先ず痛みが出現し、その後水泡を伴った発赤という独特の皮疹が出ます。この時点で抗ウイルス薬を飲み始めれば1週間程度で治癒へ向かいますが、高齢者、三叉神経領域(頭部から顔面の知覚を司る神経)、免疫異常をきたしている方等は重症化しやすく、治癒後も痛みが残り、帯状疱疹後神経痛となってしまうことがあります。
帯状疱疹後神経痛
帯状疱疹の経過中に強い炎症のため、末梢や中枢神経に重度の変性が生じた結果発症してしまう疼痛です。
治療
神経ブロック療法、薬物療法、局所療法等あります。難治性となってしまうと本人の痛みに対する周囲の理解や介助などの、精神的、社会的サポートも必要になってきます。

最近増加しているのが癌による痛みです。早期に発見し、外科的、内科的に治療を施すことができるのが一番ですが、ことに痛みに関しては手術をしない方や、再発をしてしまった方のいずれの場合も早期から現れる症状の一つです。

注射のイラスト飲み薬のイラスト

治療としては麻薬を含めた鎮痛薬や、その他の内服薬を使用し、場合によっては神経ブロックをすることもあります。いずれにしても痛みを完全に消失させること自体が目的ではなく、痛みによって制限された方の身体的、精神的自由を回復し、その方が望む生活を送ることができるということが目的になっています。

薬の副作用で苦しむ男性のイラスト

痛みは身体の発する異常信号であり、大病の始まりかもしれません。神経質になりすぎてもいけませんし、進行しないと痛みの出ない場合もありますが、まずは勇気をもって医療機関を受診してみてはいかがでしょうか。

磐梯町医療センター  田部 宗玄