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冬の脳卒中予防<2009年01月>

印刷用ページを表示する 掲載日:2015年11月1日更新

わが国では脳卒中発症のピークは2月で、脳卒中による死亡も冬に多いと言われています。 その理由として冬の寒さがあげられます。

気温が下がることで末梢血管が収縮し血圧が高くなります。また、寒冷刺激により急激に血圧が上昇することは脳出血の危険を増やします。 低温で血液の粘度が増え血流が遅くなることは脳梗塞の危険を増やします。室温が4℃下がると脳卒中死亡の危険が5%増えるそうです。

冬の脳卒中を防ぐには、なるべく暖かい環境で過ごすことが大切です。入浴の際も、脱衣所や風呂場の保温に注意し、急な温度変化を避けてください。一日のうちで体温が上昇し血圧が安定する夕方が良いようです。 急に熱い湯の中に入らず、ぬるめのお湯にゆったりつかり、緊張をとるようにしましょう。 除雪などで外に出る場合は、家の中である程度の準備体操をしてから、防寒を十分して下さい。

暖かい環境とは言っても、コタツや電気毛布を使っていつの間にか汗をかき、脱水になっている事があります。脱水になれば脳梗塞をおこしやすくなります。 入浴前後や就寝前に、十分な水分を摂るよう心がけて下さい。 

食卓では、秋に採れた白菜や大根を使った漬物が美味しく、また、鍋物や汁物なども多くなる季節です。知らず知らずのうちに塩分を摂り過ぎないよう、注意しましょう。

飲酒量も増える季節です。 飲酒中や飲酒直後は一時的に血管が拡張し血圧が下がりますが、時間がたってアルコール血中濃度が下がると血管が収縮し血圧が上昇します。長期間多量に飲酒を続けると血圧が高くなることも知られています。 飲酒で温まったつもりでも、寝ている間に体温が奪われ、脱水になり、朝には身体が冷えている事もあります。適量を守って、飲み過ぎないよう注意して下さい。

寒い冬は家の中に閉じこもり、運動不足になりがちです。その結果体重が増え、血圧や糖代謝、脂質代謝にも悪影響を及ぼします。 運動は血行を良くし、ストレスの解消や肥満の防止につながります。家の中でもできる運動や、プールやスポーツ施設を利用したり、日常生活の中でなるべく身体を動かしたりなど、冬の間も適度の運動を継続することが大切です。

 

磐梯町医療センター 齋藤 充

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