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生活習慣とがん予防<2008年1月>

印刷用ページを表示する 掲載日:2015年11月1日更新

癌(がん)を減らすには、喫煙を減らすことはもちろんですが、体重管理、運動、適切な食事摂取など生活習慣の改善も重要です。

喫煙が肺癌、胃癌、大腸癌、乳癌などの危険を増やすことは良く知られています。しかし喫煙以外にも、過度の飲酒は口腔および咽頭癌、喉頭癌、食道癌、肝臓癌、大腸癌、乳癌の危険を増やします。1日あたり純エタノール量に換算して約23g程度(日本酒なら1合、ビールなら大瓶1本、焼酎なら2/3合、ウィスキーやブランデーならダブル1杯、ワインならボトル1/3程度)の量までなら、癌の危険を増やさないと考えられます。

しかし、日本人男性を対象としたある研究によると、1日2合以上の飲酒で40%程度、3合以上の飲酒で60%程度、癌の危険を増やすことが示されました。日本人男性の癌の13%程度が、1日2合以上の飲酒習慣によって発症しています。

肥満も食道癌、膵癌、腎癌、大腸癌、子宮癌、閉経後女性の乳癌の危険因子となります。余分な体脂肪は体内のホルモンに影響を及ぼし、そのため細胞増殖の異常が生じ癌になる可能性が高まるそうです。環境汚染物質よりも肥満のほうがより大きな危険因子となります。過体重による癌のリスクは出生時から始まります。したがって、その対策は早ければ早いほど良いと言われています。

また、肉やハム、ソーセージといった肉類加工品は大腸癌のリスクをあげます。

これに対し、癌の危険を減らすと評価されている生活習慣もあります。野菜や果物の摂取は、食道癌や胃癌を減らす可能性があります。塩分を摂り過ぎないことは胃癌の予防につながります。運動は大腸癌や子宮癌、乳癌の危険を減らします。また、授乳による育児は母親の乳癌のリスクを下げます。

癌の予防策は、糖尿病や高血圧、心臓病、脳血管障がいの予防策とも共通しています。これらは、バランスよく行なわれることが大切です。例えば、肥満が悪いからと言って、過度のダイエットは健康を損ねることになりかねません。

毎日食べるもの、毎日することに不健康な偏りがないかどうか点検し、少しずつ改善し、慣らし、ストレスにならない範囲で継続する、というのが基本的な考え方です。

体重に注意し、日常生活で定期的に運動し、バランスのとれた健康的な食事を摂ることで、癌の1/3は予防できます。

日本人に推奨されるがん予防法

たばこは吸わない。

他人のたばこの煙を可能な限り避ける。

適度な飲酒。

具体的には、1日あたりエタノール量に換算して約23g以内。飲まない人・飲めない人は無理に飲まない。

食事は偏らずバランスよく。

塩分の摂取は最小限に。具体的には、食塩として1日10g未満、特に、塩分濃度が10%程度の高塩分食品は、週に1回以内。

野菜、果物不足にならない。例えば、野菜は毎食、果物は毎日食べて、少なくとも1日400gとる。

熱い飲食物、保存・加工肉の摂取は控えめに。

定期的な運動の継続。

例えば、ほぼ毎日合計60分程度の歩行などの適度な運動、週に1回程度は汗をかくような運動。

成人期での体重を維持(太り過ぎない、やせ過ぎない)。

具体的には、中年期男性のBMIで27を超さない、21を下まわらない。中年期女性では、25を超さない、19を下まわらない。

肝炎ウイルス感染の有無を知り、感染している場合は、その治療の措置をとる。

がんを引き起こすウイルスへの感染を予防する。

もちろん、定期的な健診による早期発見も大切です。

磐梯町医療センター 齋藤 充