食中毒、胃腸炎について<2007年6月>
梅雨も半ばとなり相変わらず蒸し暑い日々が続いています。住宅の機密性向上、冷暖房完備などの環境の向上により、1年中発生する危険性はありますが、特にこれからの季節気をつけなければいけません。
食生活の変化により原因となる菌にも変化がおきています。かつては魚介類に多く見られた腸炎ビブリオは、肉、乳製品に多いサルモネラ菌に取って代わられ、また、昨年暮れに流行したノロウイルスに代表されるウイルス感染症も近年注目されるようになって来ました。食材の輸入量の増加により、食中毒の脅威はいまや地球規模となりつつあります。
細菌感染では抗生物質が効くタイプもありますが、大抵の感染性胃腸炎の場合はウイルス性のものも多く、対症療法が中心となってきます。
予防についてですが、まずは食事の前にはきちんと手洗い、うがいを欠かさずにすることが一番ですが、買い物には時間をかけず、生鮮食料品は最後に購入する。また調理前には、食材は水で洗えるものはすべてよく洗う、また手指に怪我をしている場合には創を覆い食材に直接触れないように、食材は調理直前まで冷蔵庫に保存し、加熱調理がお勧めです。
食事はできたらすぐ食べるのが原則ですが、冷蔵保存されたものは十分加熱してから。
いざ腹痛、下痢、嘔吐などの症状が出てしまったときは医療機関を受診するようにしてください。
磐梯町医療センター 医師 田部宗玄