苦痛の少ない内視鏡検査<2006年3月>
日に日に暖かさを増し、桜のつぼみも膨らみ始めた頃ですが、寒く長い冬の間、体が重くなったなあと思いつつ、体重計に乗るのをためらったりしていませんか。
肥満はいろいろな病気の元凶です。中でも内臓脂肪型肥満は要注意です。内臓脂肪がたまると血圧や血糖値、中性脂肪などが普通より高めになり、動脈硬化を進め、脳梗塞、心筋梗塞などを引き起こしやすくなります。このような状態をメタボリックシンドロームと呼ばれるようになってきました。
なぜ内臓脂肪型肥満が問題なのか
インスリンは血液中の糖を調節する働きがありますが内臓脂肪がたまるとインスリンの働きが鈍り、糖尿病や高脂血症、高血圧になりやすくなります。内臓脂肪の量はウエストサイズに反映しやすいため、内臓脂肪蓄積の目安として腹囲が取り上げられています。
腹囲の計り方
へその高さで腹囲を計り、男性で85cm以上、女性で90cm以上の場合は内臓脂肪型肥満の可能性が大です。
メタボリックシンドロームになりやすい人の生活習慣チェックリスト
- 腹八分目が守れない。
- 間食をすることが多い。
- お料理の味付けに砂糖をよく使用する。
- 味付けの濃い料理が好き。
- 緑黄色野菜をあまり食べない。
- アイスクリームが大好き。
- 階段よりエレベーターを使うことが多い。
- 日常生活で運動をする機会が少ない。
- ストレス解消にお酒を飲むことが多い。
- 喫煙習慣がある。
当てはまる項目の数が多ければ要注意です。生活習慣の改善が必要になります。
予防のための十か条
- 適正な体重を保つ。(標準体重=身長×身長×22 と言われています)
- 野菜・乳製品・豆類などを取り入れたバランスの良い食事。
- 規則正しく一日三回食事を取る。寝る前に間食をしない。
- 脂肪を控えめにした食事を心がける。
- 味付けを薄めにする。
- 糖分の多い「お菓子・ジュース」を控える。
- 自分にできる運動をみつけて、毎日続ける。
- 睡眠・休養をしっかり取る。
- お酒の量を控える。週二日はアルコールをまったく飲まない。禁煙する。
メタボリックシンドロームとは生活習慣病そのものであるため、内臓脂肪を減らすためには、生活習慣の改善を行うことが大切です。ウオーキングなどの有酸素運動をできるだけ毎日続け、食事量を減らし、腹八分目にして、甘いものは控えます。禁煙も有効です。内臓脂肪型肥満を解消することがメタボリックシンドロームを防ぐ最も確実で身近な方法です。が、なかなかうまくいかない場合も多いと思います。お気軽に医療機関へご相談されることをお勧めします。
磐梯町医療センター 医師 田部宗玄