楽しい食生活を送るために [17] 感染した歯の治療について
歯の神経は、気づかないうちに感染していることがあります。以前に生きている歯の神経の治療について触れましたが、今回は壊死した神経の治療などについて触れたいと思います。
根の中(根管)の神経が細菌感染などで壊死した状態を「感染根管」と言います。根管内の細菌や汚染物質が根の外へでていき、根の周囲に感染し、食事時などに痛みや違和感がでたりします。また感染した根の周囲の骨を溶かしてしまうこともあります。感染根管になる原因は、虫歯から感染したもの、歯が折れたなどの外傷で神経が刺激され壊死がおこり、細菌感染が合併したもの、歯周病から神経が感染されたものなど様々です。一度治療したものが再び感染することもあります。
ではこれらを防ぐためにはどうしたら良いでしょうか。まずはしっかり歯を磨くことです。感染根管になるほとんどの原因が口の中にいる細菌です。歯磨きで細菌を少しでも残さないことが一番効果的でしょう。時間があれば歯医者さんに行き、機械などを使用して口の中をきれいにしてもらうことも良いでしょう。
それでも神経が感染されてしまうこともあります。その場合の治療はどのように行うのでしょうか。主な治療方法は以前に説明した神経の治療方法とほとんど変わりません。専用の歯科器材を使用して感染されている根管をきれいにして細菌などを取り除きます。そのときに、根管を消毒するために根管に薬をいれて仮の蓋をします。この治療を根管がきれいになるまで繰り返し行います。きれいにされた根管は、最終的に樹脂でできた薬剤で埋められます。しかし、人によってはなかなか治療が困難な場合もあります。その場合には違う方法での治療が必要になってくるかもしれません。
少しでも歯に違和感があったり心配な場合は早めに歯医者さんに行きましょう。
奥羽大学歯学部附属病院 梅里 朋大