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楽しい食生活を送るために [16] 入れ歯の汚れで肺炎に

印刷用ページを表示する 掲載日:2015年10月16日更新

入れ歯の汚れが原因で肺炎になることをご存知でしょうか。これは誤嚥性肺炎といわれ、飲食物が食道ではなく誤って気管に入ってしまうことです。通常、飲食物が気管に入ると激しくむせて、それを押し出そうとしますが、高齢者の場合、飲食物を飲み込む力が弱かったり、飲み込む神経の働きが悪かったりするため誤嚥が起こりやすくなります。そして飲食物と共に気管に入った口の中の細菌が原因となり誤嚥性肺炎を惹き起こすのです。入れ歯の汚れに付着した細菌が、この病気の原因と考えられているのです。

歯のイラスト

使用中の入れ歯には食べかすが付着します。それを放置したまま使い続けると、細菌が繁殖したり唾液中のカルシウムが沈着し、不衛生な状況がつくられます。このような汚れは義歯の表面に付着するだけでなく、内面にも浸透することがあり、汚れが付いたままの義歯を使用していると誤嚥性肺炎のリスクがとても高くなっています。

それでは入れ歯の手入れはどのようにすればよいのでしょうか。食事のあとすぐに入れ歯をはずし、水道の流水下で義歯用ブラシで磨くと大部分の汚れを落とすことができます。このとき研磨剤の入った歯磨剤は義歯の表面を削ってしまうため使ってはいけません。部分入れ歯では、バネの裏側に汚れが付くので注意深く清掃してください。

洗面所で入れ歯を清掃しているときに、入れ歯を落として割ってしまう事故が多発しています。水を張った桶やタオルの上で行うと防ぐことができます。清掃は義歯だけではなく、口の中の汚れも歯ブラシで取り除いてください。就寝時は特別な理由がない限り、はずして水中で保管します。義歯洗浄剤を使用すると、深部へ侵入した汚れが除去できるので効果的です。

入れ歯のお問い合わせは医療センターまで。

奥羽大学歯学部附属病院 今関  肇

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