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楽しい食生活を送るために [15] 噛むことの大切さ

印刷用ページを表示する 掲載日:2015年10月15日更新

人はだれでも、長生きしたいと考えていると思います。でも、ただ長く生きているのではなく、健康で、元気にいたいと思っているのではないでしょうか。健康に年を重ねていくことを「サクセスフルエイジング」と言います。

日本は世界有数の長寿国であり、人口の高齢化率も2005年から世界でトップとなり、2050年には高齢化率が約40%にまで達すると言われています。しかし、これだけ多くの高齢者の方々が、すべて健康で長生きしているわけではなく、寝たきり、認知症など要介護高齢者の数も少なくありません。このような方々が健康に生活するためには、様々な医療を受けていることと思いますが、今回は、歯科の立場から噛むことによる健康増進についてお話したいと思います。

笑う人のイラスト

高齢者を対象とした意識調査によると、「生きがい」を感じる状況の上位に、おいしいものを食べているとき、家族や友人と食事をしているときがランクインしています。「病は気から」というように、食生活だけにでも生きがいを感じることができれば、より健康に近づくのではないでしょうか。さらに、様々な実験から、よく噛むことが脳に対して良い影響を与えることがわかってきました。 噛むことが脳血流を増加させ、脳を活性化させます。脳が活性化することにより学習と記憶の能力低下を防止することができ、脳のリハビリテーションにもつながります。さらに、マウスピースに代表されるように、よい噛み合わせは身体能力を向上させることがわかっています。

このように、噛むことで生きがいをみつけ、脳の活性化により情動や記憶の覚醒作用を引き起こし、さらに運動能力が向上することが、結果として寝たきり状態の予防にもつながるのです。ささやかではありますが、歯科医師として皆様のサクセスフルエイジングのお役に立てれば幸いです。

 

奥羽大学歯学部附属病院 関根 貴仁

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