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楽しい食生活を送るために [6]

印刷用ページを表示する 掲載日:2015年10月6日更新

歯槽膿漏(シソーノーロー)は歯の周囲から膿が漏れる状態を意味します。しかし、それ以外に歯ぐきからの出血、歯ぐきの腫れ、歯ぐきが下がる、歯がぐらつく、口臭があるといった症状もみられます。そこで、現在では歯の周りの病気として歯周病という用語が使われています。

歯周病は歯肉炎(しにくえん)と歯周炎(ししゅうえん)に分かれます。歯肉炎は歯ぐきが腫れているだけのものです。腫れの結果として、歯磨き時に歯ぐきから血が出てくるようになります。症状がひどくなると自然に血が出てきたり、膿が出てきたりするようになります。歯周炎になると歯を支えている歯ぐきや骨が壊されます。その結果、歯ぐきが下がったり、歯がぐらついてきたりします。また、細菌の出すガスが口臭の原因となります。

歯周病は、歯と歯ぐきの境目にたまった歯垢が原因でおこります。白いネバネバした歯垢の7割は細菌の塊です。一ヵ所の歯垢には、およそ150種類の細菌がいます。その中の何種類かの細菌が共同で歯周病を起こしたり、あるいは悪化させたりします。これらの細菌はバイオフィルムと呼ばれるネバネバしたタンパク質の膜で覆われています。

バイオフィルムは薬の浸透を妨げるため、根本的に薬だけで歯周病を治すことはできません。細菌が歯ぐきに入り込んで、バイオフィルムの外側で急性症状を起こしているときのみ、薬は一時的に効果を発揮します。そのため、歯磨きや歯石取りでバイオフィルムごと取り除いてしまうことが基本的な歯周病の治療となります。

これからの連載で、歯周病を悪化させる因子や段階を踏んだ治療法、および歯周病の予防などを、五回の連載の中で詳しく解説します。

 

奥羽大学歯学部附属病院 宮尾 益佳