鳥獣被害対策におけるICT(情報技術通信)実証試験について
鳥獣被害対策におけるICT(情報技術通信)実証試験について
ICT機器のイメージ図
事業概要
磐梯町内には多くの野生動物が生息しており、近年はクマによる小屋荒らしや農作物の食害、イノシシによる農地の掘り起こしなど、有害鳥獣による被害が増加しておりました。特に被害の大きかった本寺地区と源橋地区では、昨年から地区全体で有害鳥獣に対する検討会を積み重ね、今年度から対策の一環として、地区主体で広域電気柵を設置する取り組みが始まりました。
電気柵は周辺の草木などが接触すると、電圧が下がり効力が低下してしまうため、見回り作業や電圧を確認する作業が必要となります。このように、広域電気柵は設置した後の維持管理が重要ですので、地区の方の作業負担が出来る限り軽減するため検討しておりました。
実証試験
そこで町は、令和2年12月に磐梯町とKDDIが、5GやIoTなどの先端技術を活用した地域課題解決に関する包括的連携協定を締結した中で、電気柵の電圧を監視する電圧監視システムと電気柵のゲートを監視するICTカメラを導入し、スマートフォンなどを用いて遠隔で電気柵を監視することによって、見回り作業を軽減するための実証試験を行いました。
試験結果
本寺地区でゲートの異常対応が1回、電圧低下やその他の異常は確認されませんでした。今後は、地区で費用対効果を検討いただき、作業軽減に繋がる取り組みを提案してまいります。
(※各地区の取組み詳細は次ページ参照)
費用内訳(令和3年度支出)
合計197,112円:需用費119,350円+役務費77,762円
内訳
需用費
- 電圧監視システム(親機1台) 57,200円
- 電圧監視システム(子機3台) 59,400円
- カメラSIMカード変換アダプター(5枚) 2,750円
- モバイル通信機能付きセンサーカメラ(5台) (KDDIより試験提供)
役務費
- センサーカメラ通信費(8月) 19,022円
- センサーカメラ通信費(9月) 8,580円
- センサーカメラ通信費(10月) 8,580円
- センサーカメラ通信費(11月) 8,580円
- 監視システム通信費(年額) 33,000円
協力
- 磐梯町農業委員会 前田 諭志(株式会社デザイニウム 代表取締役)
- 特定非営利活動法人おーでらす(アドバイザー)
- KDDI株式会社(連携協定)
- ファームエイジ株式会社(メーカー)
令和3年度2地区(本寺・源橋)の取り組み内容
本寺地区
集落の概要
- 農家数:74戸
- 農地面積:127ha
- 主な被害作物:水稲、そば、野菜
- 被害獣種:イノシシ、クマ
- 電気柵設置延長:L=3.8km
- ICT実証実験機器:ICTカメラ
経過報告
- 6月29日:広域電気柵設置に係る打合せ会(地区住民、県・町職員)
- 7月14日:電気柵設置 3段 L=3.8km(地区住民、県・町職員、メーカー)
- 8月25日:龍ケ沢入口ゲートを監視するICTカメラ設置
- 11月14日:電気柵、ICTカメラ撤去(地区住民)
- 11月26日:本寺鳥獣害対策モデル集落実績検討会(地区住民、県・町職員、アドバイザー)
源橋地区
集落の概要
- 農家数:36戸
- 農地面積:107.7ha
- 主な被害作物:水稲、そば
- 被害獣種:イノシシ、クマ
- 電気柵設置延長:L=3.0km
- ICT実証実験機器:電圧監視システム、ICTカメラ
経過報告
- 6月18日:広域電気柵設置に係る打合せ会(地区住民、町職員)
- 7月18日:電気柵設置 3段 L=3.0km(地区住民、町職員、メーカー)
- 9月2日:電圧監視システム設置。蛇追ケ滝入口にゲートを監視するICTカメラ設置。(地区役員、町職員、アドバイザー、メーカー)
電圧監視システム及びICTカメラ説明会。(地区役員、町職員、メーカー)
電気柵、ICTカメラ撤去(地区住民) - 11月13日:電気柵、電圧監視システム、ICTカメラ撤去(地区役員)
- 12月10日:源橋地区広域電気柵整備事業実績検討会(地区住民、町職員、アドバイザー(特定非営利活動法人おーでらす))
ICT(情報技術通信)実証試験の状況及び媒体画像
<龍ヶ沢入口 ICTカメラ設置状況(本寺地区)>
<龍ヶ沢入口 電気柵ゲート画像(本寺地区)>
<電圧監視システム(親機)設置状況(源橋地区)>
<電圧監視システム通信画像(源橋地区)>
<電圧監視システム(子機)設置状況(源橋地区)>