○磐梯町開発事業指導要綱
昭和48年7月13日
訓令第2号
(目的)
第1条 この要綱は、磐梯町の区域内における無秩序な土地の開発及び利用を防止するとともに開発事業を行なう者に対し応分の協力と負担を要請することにより、調和のとれた均衡ある地域開発の発展に資し、あわせて健全ですぐれた生活環境の実現、良好な自然環境の保全及び災害の防止に資するものとする。
2 前項の趣旨に則さず、地域的特性と調和しない開発利用計画を前提とする土地の所有権その他の使用収益を目的とする権利の設定又は移転は、これを極力抑制するものとする。計画実現の見通しが薄いもの及び無目的のものについても、また、同様とする。
(適用対象)
第2条 この要綱は、一団の土地(町内にその土地の一部が存する場合を含む。以下同じ。)の面積が5ha以上の民間の開発事業(農林漁業の用以外の用に供する目的で行なう土地の区画形質の変更に関する事業をいう。以下同じ。)について適用する。ただし、町長において特にその必要があると認めるときは、その面積が5ha未満の開発事業についても、この要綱を適用することがあるものとする。
2 開発事業が、同一の地域または隣接する地域において、同一の、又は異なる開発事業者(開発事業を行なう者をいう。以下単に「事業者」という。)によって、同時に又は異なる時点において、類似の用途を目的として行なわれる場合は、これらの開発事業の対象となる土地については、すべてこれを一団の土地とみなして、この要綱を適用するものとする。
※第3条の「公共施設」とは、道路、公園、緑地、広場、水道、下水道、河川、水路、ため池、消防の用に供する貯水施設、防砂又は防潮の施設その他公共の用に供する施設。「公共的施設」とは、教育施設、医療施設、購買施設、官庁施設、その他居住者の共同福祉又は利便のため必要な施設をいう。 |
(事業者の責務)
第3条 事業者は、開発事業の施行に伴い当該開発事業の対象となる区域(以下「開発区域」という。)の内外において新たに必要となり、又は改良を必要とすることとなる公共施設及び公益的施設については、既存のこれらの施設の管理者との協議を経て、原則として自らの負担において整備するとともに、自らが施設したものについては、自らの責任で管理運営するか、又は責任ある第三者をして管理運営させなければならない。
2 事業者は、開発事業の計画の策定及び施行にあたっては災害及び公害の防止その他住民の生命財産の保護、自然環境の保全のため、最善の努力を払わなければならない。
3 事業者は、開発事業の計画の策定及び施行にあたっては自然環境の改変を最少限にとどめるとともに、積極的に緑地、樹林地等を配置し、植生の回復等のために適切な措置をとらなければならない。
4 事業者は、開発事業の計画の策定及び施行にあたっては地域住民の意見を尊重し、その理解と協力が得られるように努めなければならない。
(事業計画の基準)
第4条 開発事業の計画は、次に掲げるところに従って定められなければならない。
(1) 一般的基準
ア 国、県、市町村その他公的機関の策定に係る土地利用に関する各種計画に適合するものであること。
イ その地域の将来の発展上望ましいものであって、地域住民の福祉の向上に貢献する度合の高いものであること。
ウ 開発区域は、優良農用地でなく、また、農用地として利用すべき相当規模の土地があり総合的に農業の振興を図る必要がある地域でもないこと。
エ 開発地域は、保安林、保安施設地区、保安林予定森林等森林の有する公益的機能の発揮が要請されている地域地区でなく、また、林業の振興を図るべき土地でもないこと。
オ 開発区域は、自然環境を積極的に保全する必要がある地域でないこと。
カ 開発区域は、災害及び公害の防止のため保全する必要がある地域でないこと。
キ その他関係法令等に照らし適法なものであること。
(2) 技術的基準
ア がけくずれ、土砂の流失、地すべり、出水等災害の防止について、所要の措置を講ずるものであること。
イ アのほか、治山、治水及び水源の涵養に支障を及ぼさないものであること。
ウ 文化財等の保存について適切な措置を講ずるものであること。
エ 開発区域内の道路は、その幅員、勾配その他の構造が交通の安全の確保上問題がなく、かつ当該区域の内外における既設の道路との接続、取付関係が良好なものであること。
オ 給水施設は、開発区域の内外における既存の飲料水その他の生活用水、農業用水等既存の水需要に支障をきたさない程度の能力及び構造のものであり、かつ、当該区域内において想定される需要に対応する程度の能力及び構造のものであること。
カ 汚水、排水、廃棄物等により、環境が汚染されることのないよう所要の処理施設が整備されるものであること。
キ 必要な消防水利施設が整備されるものであること。
ク 前掲のほか、用途、規模、環境等に応じ、公園、広場、緑地その他の公共施設及び公益的施設が確保整備されるものであること。
(設計の基準)
第5条 開発事業に関する設計は、別表に定める基準に適合するものでなければならない。
2 地域の特性に対応する開発事業の設計の細部の技術的基準については、当該事業の個々の内容に応じ、町長及び関係行政機関の長の指示するところによるものとする。
3 開発事業に関する設計に係る主要な設計図書は、法令に別段の定めのある場合を除き、都市計画法施行規則(昭和44年建設省令第49号)第19条に定める資格を有する者の作成したものでなければならない。
(土地の取得等についての協議)
第6条 一団の土地の面積が5ha以上の土地について、所有権その他の土地の使用収益を目的とする権利の設定又は移転をする契約(予約を含む。)を締結しようとする者は、その契約を締結する前に、その土地の位置、区域、規模、用途等について町長に協議しなければならない。
3 町長は、第1項の確認の申請があった場合において必要があると認めるときは、開発事業の計画に関係のある公共施設及び公益的施設の管理者または管理者となるべき者及びその他の関係者とあらかじめ内協議をするよう事業者に指導するものとする。
(分譲地の譲受人及び会員の募集についての届出)
第8条 本町内にその全部又は一部が存する土地又は施設について、分譲地(開発区域の全部又は一部を区画を分けて譲渡する場合の当該区画された土地をいう。)の譲受人又は会員(入会金、保証金、預託金、出資金、株式払込金その他いかなる名義をもってするかを問わず、一定額又は一定率の金円を支払い、預託し、又は出資したこと等により、開発事業により、又はこれと関連して、造られる施設を一般の利用者に比して有利な条件で利用することができる権利、地位、資格等を有する者をいう。)の募集を行なおうとする事業者は、募集を行なおうとする都度、当該土地の所在、地目その他当該土地を特定するために必要な表示又は当該施設の所在、種類、構造その他当該施設を特定するために必要な表示、分譲及び募集の方法、価格、引渡しの時期、現地における管理責任者の職氏名及びその職務権限その他当事者の権利義務の内容等について、町長に届け出なければならない。
(工事完了の届出等)
第9条 事業者は、開発事業に関する工事を完了したときは、町長に届け出なければならない。
2 町長は、前項の規定による工事完了の届出があったときは、すみやかに当該開発事業がこの要綱等の内容に適合しているかどうかについて検査するものとする。
3 前項の規定による検査の結果、町長は、この要綱等の内容に適合していないものがあると認めるときは、これを適合させるため必要な限度において、当該事業者に対し改善すべき事項を示して、必要な指示をするものとする。
4 事業者は、前項の規定による指示を受けたときは、当該指示の内容に応じ、遅滞なく所要の措置をとるものとする。
(開発事業の変更等の届出等)
第10条 事業者は、開発事業の全部又は一部を変更し、中止し又は廃止しようとする場合においては、あらかじめ、その旨並びに当該開発事業の変更、中止又は廃止に伴って必要となる災害防止のための措置について、町長に届け出なければならない。
(開発事業の譲渡又は承継についての協議)
第11条 事業者は、第14条の規定による協定を締結した開発事業又は開発区域内の土地若しくは施設についての権利を第三者に譲渡し、又は承継させる場合においては、あらかじめ、町長に協議し、その同意を得なければならない。
(報告及び立入調査)
第13条 町長は、前条の規定による勧告をした場合において必要があると認めるときは、その勧告を受けた者に対し、その勧告に基づいて講じた措置について報告を求めることがあるものとする。
2 町長は、前項に定める場合のほか、事業者に対し開発事業の適正な実施の確保に資するため必要があると認めるときは、開発事業の施行の状況について必要な報告を求め、または開発事業の現場に立ち入り、調査をすることについての許諾を求めることがあるものとする。
3 事業者は、前2項の規定による町長の求めに対しては、信義誠実の原則をもって、これに応ずるものとする。
(協定の締結)
第14条 町長は、開発事業の実施が地域住民の福祉の阻害となり、また、良好な環境の保全上支障となることを避けるため、開発事業の適正な実施と事業完了後における開発区域内の土地及び施設の適切かつ妥当な維持管理を図る上で必要と認められる事項に関し、事業者と協定を締結するものとする。
2 事業者は、前項の規定による協定の締結について町長から求めがあったときは、信義誠実の原則をもって、これに応ずるものとする。
(非協力者に対する措置)
第15条 町長は、次の各号のいずれかに該当する事業者については当該事業者の氏名、違反の内容、勧告の内容等を公表するとともに、法令の規定の範囲内で、当該事業者及び当該開発事業に関連する許認可、関連公共事業は行なわないよう最大限の配慮をするとともに関連機関にもその旨を要請するものとし、あわせて水道、電気、ガス等の供給についても斟酌するよう関係機関あて要請するものとする。
(2) この要綱又は第14条第1項の規定により締結した協定の内容に違反した者
(窓口)
第16条 この要綱による協議、申出、届出等についての町の窓口主管課は、行政経営課とする。
2 事業者は、開発事業の実施上の問題について町の関係部局と協議する必要があるときは、すべて前項の窓口主管課を経て行なわなければならない。
(補則)
第17条 この要綱の目的の達成のために必要な事項ではあるが、特殊の事情により、この要綱により難いもの、又はこの要綱に定めのないものについては、その都度町長が定める。
附則
1 この要綱は、昭和48年7月13日から施行する。
2 この要綱の施行の際現に町の区域内で開発事業に係る工事に着手している事業者は、利用目的並びにその開発区域の位置、区域、規模及び用途等について、すみやかに町長に届け出なければならない。
附則(平成16年6月30日訓令第13号)
この訓令は、平成16年7月1日から施行する。
附則(平成18年7月27日訓令第13号)
この訓令は、公布の日から施行する。
附則(平成19年6月20日訓令第34号抄)
(施行期日)
1 この訓令は、平成19年7月1日から施行する。
附則(令和5年6月1日訓令第26号)
この訓令は、公布の日から施行し、令和5年4月1日から適用する。
附則(令和6年3月22日訓令第9号)
この訓令は、令和6年4月1日から施行する。