冬に多くなる脳出血・肺年齢検査について<2010年1月>
脳出血の月別発症頻度
「脳卒中データバンク」によれば高血圧性脳出血は6月から9月の夏場に少なく、11月から3月の冬期間に多くなっています。
気温が下がることで末梢血管が収縮し血圧が高くなります。また、寒冷刺激により交感神経が興奮し急激に血圧が上昇することで脳出血の危険を増やします。
冬の間はなるべく暖かい環境で過ごし、急な温度変化に注意しましょう。室内暖房もこたつよりは全体暖房にし、廊下に出るときはガウンを着る、靴下・スリッパを履く、洗面や食器洗いはお湯を使うなどの工夫が血圧対策になります。外出時は重ね着をし、マフラーや手袋をつけて寒気の入り口をブロックするのも効果的です。
高血圧の方は「冬だから血圧が高くてもしょうがない」では済まされません。
脳出血の発症時間帯では、就寝中よりも、日中活動時間帯、特に食事・通勤時間帯に多い傾向があるようです。男性では、月曜日と土曜日が多いというデータが示されました。これらのデータから、忙しい時間帯にあわてることや、仕事中の緊張やストレスが血圧上昇を招き、脳出血を起こしやすくなると考えられます。
高血圧にならないよう、塩分、脂肪分、アルコールを摂り過ぎない、運動不足から肥満にならない、禁煙をする、ストレスをため過ぎないなど、普段からの生活習慣にも注意しましょう。
あなたの「脳卒中危険度」を、チェックしてみましょう。
- 60歳以上である
- 高血圧である
- 糖尿病である
- 高脂血症である
- 脳卒中の家族歴がある
- 太っている
- お酒をたくさん飲む
- たばこを吸う
- 脈が乱れることがある
- 運動不足である
- ストレスがたまっている
- ゆっくり休めない
- 完璧主義である
- 濃い味付けが好き・味見をしないで調味料をかける
- 脂っこい食べ物が好き
- 果物をあまり食べない
- 野菜をあまり食べない
※チェック項目が多い方は要注意です。
「肺年齢」検査について
「肺年齢」とは、肺の健康を示すバロメーターです。
肺気腫や慢性気管支炎など慢性閉塞性肺疾患(COPD)では息切れ、咳、痰などの症状が自覚しにくく、「年のせいだ」とか「単なる風邪だろう」と見過ごされがちです。気がついたときには肺機能障がいがかなり進行していることも珍しくありません。
そのため、同性・同年代と比べてご自分の肺の健康状態を把握するためのバロメーターとして、日本呼吸器学会によって「肺年齢」が提言されました。
ご自分の「肺年齢」を把握することで、喫煙や運動不足など、生活習慣を見直すきっかけにもなり、肺の健康を保ち、呼吸器の病気を予防、早期治療することができます。一度「肺年齢」を測定してみませんか?
あなたの肺年齢は何歳ですか?
磐梯町医療センター 齋藤 充