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熱傷について<2007年12月>

印刷用ページを表示する 掲載日:2015年11月1日更新

年の瀬も迫り、これから寒さが本格化する頃となってきました。家庭では一般的に熱い液体に触れて起こる熱傷が最も多く、沸騰したやかんのお湯をひっくりかえす、熱い味噌汁やカップラーメンをこぼしたり、熱いお風呂に落ちたり、アイロンに触れたりと、日常の生活の中で多い外傷のひとつです。特に子どもの事故としても多く注意が必要です。炎による熱傷(火傷)では、てんぷら油に引火した火が衣服に燃え移ったり、火事によるものが大半です。

熱傷の重傷度では、深さによって123の三種類に分けられており、一度では表面皮膚の赤みだけであり、局部の冷却のみで治癒することが多いのですが、二度熱傷では水ぶくれができ、冷却後も水ぶくれは残り、これが破れると感染しやすくなり消毒が必要となります。三度熱傷では皮膚は熱で変性し焦げたような黒から褐色になり、痛みもありません。この部分の皮膚はいずれ取り除く必要があります。

湯に比べて化学薬品による熱傷では、受傷が一瞬であったとしてもその後薬液が皮下に浸透し、より深く重症となっていきます。

また、見落としがちなのが、低温やけどです。湯たんぽやカイロなどのそれほど熱くないと思われるものでも、同じ場所に長時間触れていることによって重症のやけどをおこすことがあるので注意が必要です。

電気が体を通過して発生する電撃症も発生はまれではありますが重症化しやすいです。労災事故や、家庭での感電、カーボン製の釣竿が送電線に引っかかったり、雷に打たれたり(雷撃症)などです。電気は体の深部を焼きながら通過し、この通り道に心臓が入っていると受傷直後に致死性不整脈で心肺停止になってしまうことが多く、死亡の原因となります。

また、重症化しやすいものでは、熱せられた空気や炎そのものを吸い込んでしまった場合に、気道熱傷となり、受傷後の気道のむくみによって窒息してしまうことがあり、多少にかかわらず、医療機関への受診が必要です。

磐梯町医療センター 田部 宗玄

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