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肺炎球菌ワクチン<2007年8月>

印刷用ページを表示する 掲載日:2015年11月1日更新

梅雨明けが待ち遠しい中、夏風邪をこじらせ、肺炎と診断される方も少なくないようです。日本人の死因の4番目が肺炎です。65歳以上になるとそれより若い人に比べて肺炎による死亡率が急増します。肺炎球菌が原因となるのはその23%程度ですが、その感染を予防するワクチンが肺炎球菌ワクチンです。健康保険の適応があるのは2歳以上で脾臓を摘出した後の感染予防のみです。

しかしながらアメリカなどでは65歳以上の高齢者や2歳以上で慢性心疾患、慢性肺疾患、糖尿病などの肺炎を起こしやすい方に対し積極的に予防接種を行っており、65歳以上の高齢者の半数以上が接種を行っているそうです。

診察を受ける人のイラスト

高齢の慢性肺疾患患者にインフルエンザと肺炎の両ワクチンを接種すれば、入院を63%、死亡を81%減らすとの海外報告もあります。近年抗生剤の効きにくい肺炎球菌(ペニシリン耐性肺炎球菌PRSP)による肺炎が増加しており、ワクチンがその予防に有効であることも事実です。近年、予防医学的見地から日本でも積極的に肺炎球菌ワクチンを行っている自治体も少なくありません。

このワクチンの主な副作用は、注射部位のかゆみ、疼痛、発赤、腫脹、軽い発熱、関節痛、筋肉痛などで多くは1~3日で消失します。5年以内に再接種した場合強い副反応が出やすいので注意が必要です。

一度接種すると5年から10年効果があるといわれており、再接種時は副反応が強く出やすいため、今のところ日本では再接種が認められておりません。

脾臓摘出患者以外は自由診療となりますが、高齢で、肺炎を起こしやすい基礎疾患をお持ちの方にはお勧めしたいと思います。医療センターでも接種可能ですので、気軽にご相談下さい。

磐梯町医療センター 医師 屋島治光

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