甦る古代金堂 慧日寺金堂の復元【第1回】 基礎工事
慧日寺跡は、昭和45年12月に国の史跡に指定されて以来、発掘調査と並行して整備計画を検討・策定し、史跡の整備を進めてきました。
その中で、磐梯町に生まれ育った者の誇りとして、また町おこしのシンボルとして、多くの町民の皆様から熱望されていた金堂の復元が、平成17年の春に正式決定し、同年12月に工事の着工を迎えました。平成18年7月19日(水曜日)には安全祈願祭および起工式が挙行され、いよいよ現地での工事も第一歩を踏み出したところです。
今回から、工事の進捗状況にあわせてその経過をお知らせするとともに、復元の工法などについてシリーズで紹介していきたいと思います。
開祖徳一による慧日寺創建の想いを今に伝える古代の金堂復元。映像資料も合わせてお楽しみ下さい。
発掘調査によって、慧日寺跡の金堂は東西19.5m、南北12月6日m、高さ45cmの基壇(きだん)と呼ばれる土壇(どだん)上に建てられていたことがわかっています。実際には質の異なる土層を交互に叩き占めた「版築(はんちく)」と呼ばれる技法でつくられていましたが、今回の復元では建物基礎の強度を図るため、内部に鉄筋コンクリートを用いて基壇を造成しています。
また、この基壇(きだん)の外周には安山岩を加工した石材が廻らされていることも判明していますので、復元工事においても安山岩を用いて外装を施しました。
復元建物は、発掘調査で確認された金堂跡と同位置に建てられます。 したがって、まず埋め戻しを行って遺構の養生を図り、その上に新しく基壇(きだん)を造ります。
安山岩の切石を用いて基壇(きだん)外装を設置
基壇(きだん)内部に配筋
配筋後に基礎コンクリートを打設
基礎工事終了後の現地全体風景